ナポリの南に突き出したソレント半島、その南側をアマルフィー海岸と呼ぶ。ソレントを起点にアマルフィーを訪れたのは2006年、映画『アマルフィー 女神の報酬』(織田裕二主演、2009年)より前になる。
ソレントからバスに乗ってアマルフィー海岸を先端から東に進む。バスは海岸線に沿って右左折を繰り返し、狭い道ではしばしすれ違いに時間を要したが、海岸線から高い位置を走るから海に向かって景色は素晴らしかった。海沿いをつなぐ唯一の道路に面しホテルは海側に建ち、入口を1階とすると地下5~6階建てといったところ。
一時間近く走り、『ポジターノ』で多くの客が乗降した。海から一気に上る斜面にそって白い家々がびっしり建ち並ぶ。
さらに一時間近く走ると道路ははじめて海岸線に降り、大勢の人とともにアマルフィーでバスから降りる。白や黄色、淡いオレンジ色の家々が斜面にへばりつくのはポジターノ同様だが、小さな砂浜にびっしりビーチパラソルがならんで海水浴を楽しむ人が多いのが目新しい。
アマルフィーはイタリア最古の海港都市と言われる。ローマ帝国滅亡後もアマルフィー共和国の中心として栄えた。海岸沿いの町をつなぐ道路が無かった時代に、断崖が囲む港を窓口としたことが長く栄えた要因だろう。
海沿いのバス停から街に入ると傾斜地に頑張って確保した広場があった。広場からのびる大階段を前にドゥオーモ(大聖堂)がそびえ、その左には鐘楼が並び建つ。イスラム風の濃い茶色の縞模様の壁面、尖がりアーチの窓など統一感のあるファサードがまぶしい陽光に映える。
中も自然光がさしこんで明るく、キラキラの壁画が描かれて外観以上に濃い。教会を出ると回廊があり博物館や中庭、地下の教会など異なる雰囲気・様式のスペースがつながり1000年にわたって増改築を繰り返した歴史を感じた。
ドゥオーモを後にアマルフィーの町を見て回る。土産物屋などが張り付く中層の建物に挟まれた道はゆるやかに山へ向かう。人口5000人ともいわれソレントより小さい。小路はたちまち途切れた。
名称 (様式等) : アマルフィー (ドゥオーモ:ビザンチン、ロマネスク、ゴシック、バロック、イスラム建築など)
場所 : イタリア、アマルフィー
設計 (竣工年) : ? (9~14世紀、ドゥオーモ:9世紀)
訪問日 (評価) : 2006年7月20日 (62点)