533. アーキテクチャで3食を / JWマリオット・フーコック・エメラルド・ベイ・リゾート&スパ |
リゾートホテルが競い合う中、『JWマリオット・フーコック・エメラルド・ベイ・リゾート&スパ』はベトナムへ異動した1年半前から気になっていた。
『ラマルク大学』という仮想の大学のオマージュ。というか大学を改修したホテルのコンセプトで、なんちゃって陸上トラックがあり、各建物に「建築学部」「人類学部」など名付け、ファサードを「1895」など設立年っぽい表示がまことしやかに飾る。
特にロビー周りの中庭や回廊は学校っぽく、セピア色の集合写真やボートのオールなど小物が後押する。演出とわかっていても、そこはなかい郷愁を覚えた。
寝室から廊下を隔てた洗面・浴室は広く、光庭に面して大きな窓がある。ベトナムっぽい照明・家具で、独立型バスタブへの給水は、蛇口ではなく吐水口。お湯を出すと豪快に床にこぼれ、毎日だと落着かなさそうだが、非日常感はすごい。【写真↓】
クラシカルで広いレストラン『Tempus Fugit』(時間がたつのは早い)は建築学部の副題がついて、展示された『階段の模型』を眺めながら、昼・夜・朝、3度頂いた。【写真↓左】
透過性のある模様壁から柔らかい光が射しこみ、施術室に向かう真っ白な鉄砲(折返しのない)階段はドラマチックですごくイイ【写真↓】
プールと海の隙間にヤシが植えられ、ヤシの葉を見上げながらハンモックで寝転がっていると、「寒くない?」係員がバスタオルを持ってくる気配りはさすが
さらに1キロほど海を背に上ると公道に出た。境界にある守衛室はアールデコ調で、天辺には犬が4匹、四方を向く。建築とアートの、あるいはアートとキッチュの境界にも見えた。
場所 : ベトナム、フーコック
設計 (竣工年) : ビル・ベンスリー (2017年1月)
訪問日 (評価) : 2020年11月29日 (80点)1泊朝食付きVND5,405,400(≒24,000円)