サマルカンド旧都があった『
アフラシャブの丘』の南側に王族の墓所が、その一角に『
レギスタン広場』に匹敵する建物『シャーヒズィンダ廟群』がある。
広場は写真通り圧巻の、廟群は想像が及ばなかった空間の美があった。【写真↓廟群左側の墓所】
入口は麓。三日目になっていささか見慣れた青いゲート(1435年、ウルグベク建立)をくぐると階段(『天国への階段』)、おばあちゃんがしんどそうに登っている。
左側『コシュ・グンバズ廟』(15世紀)はさり気なく、二つの青いドームのバランスが美しい。【写真↓天国への階段と左がコシュ・グンバズ廟】
段上の白い小さなゲートから様相は一変した。降り始めた雨が行く手を阻み、はやる思いを一拍おいて出た。
青、水色、青緑、群青。高密な青は繊細に輝いて、宝石箱を拡大して並べた中にいるよう。すごくイイね
そこから廟群が続く。少し隙間をあけ、あるいはくっついて。路地は曲がり、緩やかに上る。アイヴァーン(尖がりアーチ)、ムカルナス(鍾乳石飾り)、青タイルで飾られ、お伽の国のお家のように並びたつ。廟が抜けている空地は石棺だけが律儀に置かれていた。【写真↑】
内部はきれいに装飾されたり(必ずしもタイルは青くない)、日干しレンガのままだったり。【写真↓シリングベク・アカ廟(1385年)内部は白と青と金】
廟は全部で20ほど。路地が行き止まりになる手前右側は『クサム・イブン・アッパース廟』(11世紀)。モンゴルに破壊されなかった唯一の廟で一番古い。モスクが連なる唯一の廟は、壁で区切られて墓所感は薄かった。
突当りは『フッジャアフマッド廟』(1350年)。二番目に古く、多くの廟のひな型になったという。三方青い小広場で踵を返し、もう一度なぞった。【写真↓】
帰って眺める。群を抜いていたのに、ほかのウズベク名所写真とあまり変わらない。
言葉にしてもそう。他に類のない青い街並を伝えようにもまだ青い。
名称 (様式等) : シャーヒズィンダ廟群(イスラム様式、墓所)
場所 :ウズベキスタン共和国、サマルカンド
設計 (竣工年) : ?(9~19世紀)
訪問日 (評価) : 2019年5月25日 (90点)