建物をみる前(あるいは後でも)背景とかエピソードを知ると、有名人の私生活を覗いたように面白さは倍増する。
6年前に訪れた『
ペトラ遺跡』は世界の建物のトップテンに入るインパクトでよく覚えている。『世界ふしぎ発見』(2018年7月21日放送/TBS)で紹介されたペトラ遺跡を巡る二つの発見は思わずメモった
一つは(ペトラ遺跡を作った)ナバテア人はその規模から2000年前、人口4万人とも推定されるペトラ遺跡(の原型)に住むことなく、(現在)遺跡入口にある街ワディムーサで暮らした。【写真↑】
25年間かけパピルスを解読したところ、350平方キロに及ぶ巨大都市ペトラ(現ペトラ遺跡)の役割は『聖なる死者の街』。『ローマ円形劇場』【写真↓】と紹介されていたものは実は葬儀場、家屋に見えたのは墓所だった。エジプトなら
ピラミッド群とスフィンクス、神殿(葬祭殿)、
王家の谷の類か。
もう一つはローマが交易路を変えて商都ペトラが衰弱した。そこに6世紀の大地震でペトラは滅亡したという定説も否定した。
前述のパピルスと別に2018年2月、港町アカバの海中でイスラムの遺構が見つかって明らかになったのは。ワインの輸出で栄えたペトラは(禁酒である)イスラム勢力の拡大、支配下に入って宗教的、経済的に変質・衰退してイスラムに静かに併合された。大地震はなかった。