ポルトガルの教会建築を代表する妖艶な『ゴシック+マヌエル様式』。『ジェロニモス修道院』はそのスタイルの本流をいく。
『
発見のモニュメント』から見る修道院は学校か国会議事堂のように横に長い。その前にある『インペリオス広場』よりも間口は広く、30スパンほどファサード・デザインが繰返される。
広場を横切って修道院に行くと、建物の向かって右端に人が群がっていた。そこから入って右側に教会、(有料で)回廊に入る。
2層の列柱とアーチが作る回廊は繊細優美。石灰岩だけのシンプルさとプロポーションがイイね
回廊から教会の2階に入ると、高天井の大空間を柱や壁面の彫刻が飾る。ステンドグラスの教会と比べると暖かく艶やか。細密でアートフルな装飾がバランスのよい大空間に展開される。
この壮麗な建物の財源は、ヴァスコ・ダ・ガマらが切り開いたポルトガル大航海時代の香辛料貿易によるといわれる。そんな大昔の貯金を500年間しっかり保存しているのがありがたい。
名称 (様式等) : ジェロニモス修道院 (ゴシック様式、マヌエル様式他)
場所 : ポルトガル、リスボン
設計 (竣工年) : ボイタック Boytac、ジョアン・デ・カスティーリョ Joao de Castilho (回廊;1517年、聖堂;1551年、現在の形;19世紀)
訪問日 (評価) : 2005年8月5日 (78点)