276. えせ植民地 / プーケット・オールドタウン |
少し離れた旧市街は一転して静か。普通の町には、『シノ・ポルトギース様式』と呼ばれて観光ガイドブックにも載る一角もありカラフルな色彩、西欧風の窓・軒デザイン、建物1階をセットバックさせた歩道(ファイブ・フット・ウェイ)が目を引く。
名所となる二つの時計台、中心となる『タラン通り』など一味違っても案外淡泊で 、点在する新名所の巨大な壁画アートのほうが目立つほど。
プーケットの建物展示コーナーでは、「1986年シノ・ポルトギース様式と命名された」と説明があり、同様式の建物写真が並ぶ。写真映えするプロポーションの美しい『プラピタック・チンプラチャ邸』は近い。
中国・西欧様式をフュージョンした古き佳きデザインを活かす一方で、エントランスのバーは青く塗られた壁にテント地の天井、光るガラス・カウンターとモダンな味付けで、現代デザインとの融和も試みられていた。
ポルトガル(ポルトギース)というのも名ばかりで、中国と(ポルトガルも含む)西欧が融合したくらいが適切だろう。ともかく一級のマリン・リゾートに興味をかきたてる街並みが控えているのは素晴らしい。
場所 : タイ、プーケット
設計 (竣工年) : ? (19世紀以降。タイファ・ミュージアム1934年、プラピタック・チンプラチャ邸1923年)
訪問日 (評価) : 2017年12月30日 (52点)