229. 消えた妖艶 / オルタ邸 |
アール・ヌーヴォーの名手ヴィクトール・オルタは、住宅を中心にベルギーの首都ブリュッセルに作品を残す。美術館として開放された自邸は、世界遺産に指定され名所として旅行者向けガイドブックにも載る。
住宅に相応しい小吹抜で道路側、奥側に室が振り分けられ、吹抜階段にはアール・ヌーヴォーらしく植物が絡み合ったような手摺を添え存在感を示す。緩いカーブを描いたスカイライトで明るく、小割にされたガラス面が美しい。
当時住んでいたデュッセルドルフの借家(1920年代竣工)と大差ないボリューム構成ながら空間の抜け具合、統一されたデザインと手のこんだ洒落たデティール、それにシンクロするインテリアで妖艶なアート作品に仕上げってイイね
名称 (様式等) : オルタ邸(現オルタ美術館) (アール・ヌーヴォー)
場所 : ベルギー、ブリュッセル
設計 (竣工年) : ヴィクトール・オルタ (1898年)
訪問日 (評価) : 2002年10月13日 (62点)