109. メディア・ハーバー |
NRW州議会は1976年に港の役目を終えた旧港をメディア中心にして再開発することを決定。倉庫やクレーンが残る(あるいは意図的に残した)かつての港にできた新しい街並はハーフェン(ハーバー、港)から連想されるデザインが並ぶ。
不気味にも見えるこの建物形状が三棟並ぶ。レンガ張り、ステンレス張り、白いペンキ吹付と異なる外装三兄弟である。初めて見たとき「すごい」の賞賛8割、「内部は使いやすくはなさそうだがどんな建物用途なのだろう」の現実的な疑問2割だった。
対面にある『シュペディツィオン通り9ビル』(設計:ウィリアム・オルソップ、2001年)は、荷降しクレーンをイメージした赤い庇がトッピングされ、外装ガラスには赤・青・黄色などカラフルなフィルムがラッピングされる。あまりにもポップで工事期間中のようにも見えるがれっきとした最終形だ。
そばには対称的にシルバー一色の禁欲的で端正なビルがある。地上8階建て2,300㎡のこじんまりした事務所ビル、『シュペディツィオン通り7ビル』(設計:槇文彦、2001年)は金属スパンドレルとルーバーのスクリーンに囲まれさり気なくお洒落。やかましいほどの自己主張が目立つ街並で逆に印象に残る渋さ、さすが槇先生。イイね
場所 : ドイツ、デュッセルドルフ
設計 (竣工年) : フランク・O・ゲーリー、槇文彦ほか (2010年予定)
訪問日 (評価) : 2001年9月ほか (81点)