107. IBA エムシャーパーク、ツェントロ |
まずこのプロジェクトにはドイツ特有のIBA(国際建設博覧会方式)が採用された。都市開発や公共施設のアイデアを国内外から広く応募し、プロジェクトに利用するものである。
この広大さとともにプロジェクトには「下水の設置」など目に見えにくいものが含まれるため、この地域を前勉強なしで見に行くとすぐにはそれとわからないかもしれない。小奇麗などこにでもありそうな公園の一角に看板があり、並列された2枚の同じ場所を撮影した航空写真旧「工場」と新「公園」を見比べて初めてここが再開発によって生まれ変わったのだと知らされるような具合である。
それは象徴的な歴史的建造物にとどまらず、石炭を掘ったくずで作られたボタ山にも及んでいることは驚きである。緑に覆われたボタ山の山頂に新設したピラミッド型の軽快な「展望台」の上からは隣のボタ山のスロープを利用して作られた「人工スキー場」の建物が見下ろせると言ったユニークさである。
1999年夏、この事業は終わった。再開発の一方で今も重工業は衰えながら現地で続き、スケールの大きさと共に、積層された時の面白さを感じさせる。(2001年/OCAJI掲載)
場所 : ドイツ、オーバーハウゼン
設計 (竣工年) : ? (-1999年代)
訪問日 (評価) : 2001年9月、2002年11月9日 (87点)