047. アンコール・トム |
車一台ぎり通れるゲートをくぐって入る。当時は宮殿など多くの建物があったのだろうが、今は石で作られた施設だけが残る。十字に伸びる道路の交点、配置的に中央にある仏教寺院『バイヨン』がこの都市の主役だ。
壁面に浮かぶ観音菩薩像が目をひく。アンコール・ワットの回廊で見慣れた平板的なレリーフに比べて巨大で写実的。数段の石を積重ねた継ぎ目と、ふくよかな顔の彫刻線が重なり独特の立体感がある。
ここから歩いて、寝釈迦像の浮き彫りがある『バプーオン』、ピラミッド型の『ピミアナカス』、彫刻に囲まれた『象のテラス』『ライ王のテラス』などを回る。それぞれのカタチは異なり、時代を経てきた遺跡ではあるが、強烈なバイヨンを見た直後ではいささか印象も薄い。
やっぱり一番いいものは最後に見ないと。「アンコール・ワットを見る前に、○○を見ておいたほうがいい」まったくその通りだ。
場所 : カンボジア王国、シェムリアップ
設計 (竣工年) : ? (12世紀末)
訪問日 (評価) : 2012年5月19日 (87点)