028.シドニー・オペラハウス |
オーストラリアを代表するシドニー・オペラハウスは古典、重厚なオペラのイメージを覆し、あるいは健康優良児のようなオーストラリアの異端児のごとくいささか暴力的だ。そのインパクトは国を象徴するほどで建築の可能性も感じる。そして外観に比べて紹介されることの少ないインテリアは一味違った。
「オペラハウスは世界で最も新しい世界遺産です」(今はどうかわからないが)、「三つの建物からなります。2600人を収容するコンサートホール、1300人?を収容するオペラ劇場、それにレストラン棟です」、「当初7億円の予算でしたが、最終的に100億円以上のお金がかかりました」そんな説明に設計変更費用の追加承認を渋るお客様を渋る客の顔が浮かんだ。
海に張りだしたようなガラス張りのロビー、外壁シェルと分離したホールの壁、そこに軽やかにかかった階段、コンクリート躯体の力強さと削りだしたようなデティールの美しさ。30余年の経過を感じないシャープな味わい。木を使う巧みさ、光を取り入れる上手さは、北欧の建築家らしくイイね
インテリアを体感した後で改めて見ると、外壁タイルの張り方や外部の床石の割り方など細部にわたってデザインが徹底されて、建築おたく魂を揺さぶられた。
場所 : オーストラリア シドニー
設計 (竣工年) : ヨーン・ウッツオン (1973年)
訪問日 (評価) : 2008年9月20日 (92点)