087.ヴィットリオ・エマヌエル2世のガレリア |
5階にかかる屋根の十分な高さ、大聖堂のレースのようなファサードを思わすガラスフレームの繊細さ、それはドーム交差部(ヴォールト)まで入念にデザインされる。床大理石のパターン、商店街のルネッサンス風外壁、どれを見ても素晴らしい。
ともすると鬱陶しく陰気になりがちな商店街の屋根。日本ではそんな屋根を撤去する動きが出て久しいが、雨除けをただ経済的に解決したものは所詮ただの雨除け。アーケードも屋根の形次第で魅力的なスペースを生み出し、(商店街を廊下と見れば)内壁にあたる各店舗の正面壁が大切になる。
ガレリアを抜けるとイタリアン・モードの発信基地であるブランドショップ街が続く。路地に日本人の若い女の子が点在していささか落着かない。
場所 : イタリア共和国、ミラノ
設計 (竣工年) : ジュゼッペ・マノニ Giuseppe Mengoni (1877年)
訪問日 (評価) : 2001年2月3日 (83点)